小夏の大冒険

ちよつとした違和感から世界の秘密へ思考は冒険する

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ヒトミ

怖かった話その2.


やっぱり中学の時。

転校生の子が、前の学校のクラスの集合写真を、あたし達の仲良しグループに見せてくれた。
あたし達のグループは、あたしとヒトミと、他1~2名。

それをじっと見ていたヒトミは、やがて写真の中のひとりを指し、転校生にこう訊いた。
「ね、この子、おとなしい人じゃない?」

転校生は言った。「ああ、そう…だね。当たってるわ」

さらにヒトミは、写ってるメンバーの顔をひとりひとり丹念に見回し、別のひとりを指してまた訊いた。
「ね、この人もおとなしくない? なんかこの、こう…仕草でわかる」

転校生はまた答えた。「うーん、どちらかと言えばそうね」

「でしょ」

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彼女はなんで「おとなしい人」を躍起になって探そうとするのか、あたしには非常に違和感、てゆーか不可解だった。
フツー集合写真を見て、中のひとりを「この子カッコイイね」とか「かわいいね」と言うならわかるけど、外見的特徴ではない「おとなしいかどうか」って……?

アタシは外見だけで性格もわかるのよ、と言いたかったのか。
だったら「この子が仕切り屋でしょ」でも「この子頭良さそう」とかでも別にいいはず。
「おとなしい」というキーワードが彼女の中で選ばれた所以は何?

おとなしかったら一体どうだというのだ?

あたしが真っ先に思い浮かんだのは(いや、あたしじゃなくても、勘のいい毒蛇の皆様ならおわかりかと思うが)、おとなしかったら、つまり、いじめのターゲットにしやすいってこと?

まるで獲物を探すような目をして「おとなしい」人を見つけるヒトミを横で見ていて、めっちゃ怖かった……


ふだんのヒトミは、人をいじめるような人じゃない。
クラスにはいじめっ子もいるが、彼女は違う。現にあたしとつるんでるぐらいだし、とあたしは安心しきっていた。
彼女はクラス委員なんかもやってたしっかり者だが、しっかりしていない人をバカにするようなこともなかった。勉強はすごーくできるという程ではないけど、スポーツが得意で、男女問わず好かれていた方だったと思う。
いかにもなハデな子とか、ヤンキー入った子が言うのならまあ、さもありなんといったところだけど、ヒトミもやっぱり「そういう」ところがあったのか……とあたしは軽いショックを受けた。


ヒトミという名前は、女優の中原ひとみのファンだった彼女のおとーさんが名づけたと以前聞いたことがある。
ああいうハキハキしているタイプがおとーさんの好みらしい。グズグズしてるのはイヤなのだろう。
ヒトミはほぼ、おとーさんの思い通りの子に育ったわけではあるが……





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